風便り〜大切なあなたへ〜
「ありがとな、小林。先生に気づかせてくれて。先生、これからはちゃんと、守屋と向き合っていくからな!」
そう言った先生は、いつもの爽やかな先生だった。
嬉しかった。
先生が、守屋くんのこと、ちゃん見てくれると思ったら、自然と笑顔になった。
「先生、守屋くん、きっと淋しいんだと思います。誰かに救ってほしいんだと思います」
「・・そうだな、あの時、俺があんなこと言わなかったら、あいつ、今と違ってたかもな」
先生は、どこか遠い目をしながら言った。
その顔は、守屋くんのように、少し傷ついたような、辛そうな表情だった。
昔、なにかあったのかな・・?
気になったけど、聞かなかった。
そのあと先生は、守屋の家に行ってみると言って、私の頭を撫でてくれた。
守屋くんも、こうやって頭、撫でてくれたな・・。
「さ!ホームルーム始めるから、教室入れ!」
先生が、そう言ったと同時に、チャイムが鳴り響いた。
守屋くん、先生がね、ちゃんと守屋くんと向き合ってくれようとしてるよ・・?
ちゃんと、見てくれてくれようとしているよ・・?
だからもう、そんな辛そうな顔、しなくていいんだよ・・?
そっと、心の中で、守屋くんに呟いた。
この声が、届かないことはわかってる。
だけど、あの場所でしか会えない守屋くんに、今、聞いてほしかった。