風便り〜大切なあなたへ〜
「俺、怪我した時に、顧問だった小野に、言われたんだよ」
・・・なに、言われたのかな?
朝、先生が言っていたことを思い出した。
あの時、俺があんなこと言わなかったら、あいつ、今と違ってたかもな。
そう先生は、言っていた。
私は黙って、守屋くんの言葉を待った。
少しの沈黙のあと、守屋くんは、また話し出した。
「・・・お前はもう、使えない。お前の存在価値は、もう無くなった。このままじゃ、もう誰もお前を見てくれないぞ。ってな」
「・・・」
あの、小野先生がそんなこと言うなんて・・。
・・・だけど、ちょっと待って。
このままじゃって、どういう意味で言ったのかな・・?
・・もしかしたら、先生は、守屋くんを励まそうとして、奮い立たせようとして、言ったのかもしれない・・。
朝の、先生の傷ついたような、辛そうな顔を思い出した。
あんなこと、言わなかったらって先生言ってた・・。
「笑えるだろ?」
そう言って、守屋くんは、辛そうに笑った。
笑えない・・。
全然、笑えない。
そんなの、笑えないよ。
笑えるような、話じゃないよ・・。
だって、守屋くん、勘違いしてるかもしれない・・。
二人の気持ちが重なって、自然と、涙が溢れてきた。
守屋くんに、先生のことを話してあげたいのに、涙と、嗚咽が邪魔をして、声にならなかった・・。