風便り〜大切なあなたへ〜





大和は切符を買うと、私の分も渡してくれた。

切符を見ると、新幹線の切符で、京都行きだった。



「え?京都・・?」



私は大和を見上げた。



「ほら、行くぞ」



そう言って大和は、私の手を取って歩き出した。

改札を通って、新幹線のホームまで行くと、丁度、私たちが乗る新幹線が到着した。

私と大和は、自由席に座った。



「大和、私、何も持ってきてないよ・・?」


「いらねえよ」



そう言うと大和は、私の手を優しく握ってくれた。

私は大和の手を、優しく握り返した。


ここから京都まで、すごく遠いし、新幹線代も高いはずなのに・・。

なんで京都に行くのかな・・。



「大和、何しに京都まで行くの?」


「意味なんかねえよ」


「え?」


「ただの、衝動」



そう言うと大和は悪戯っぽく笑った。


本当に・・?

本当に、ただの衝動なの・・?

だって、新幹線が来る時間も知ってたみたいだし・・。

ただの衝動じゃそんなのわかんないはずだよ・・。

もしかして大和、私に、嘘ついてる・・?


私は少しムッとして、少し睨みつけるように大和を見上げた。



「なんて顔してんだよ」



そう言って大和は笑った。



「だって・・大和、嘘ついてる・・」


「なんだよ?俺が嘘ついてるってのか?」



大和は少しびっくりしたような顔で私を見た。



「・・うん」



私がそう言うと、大和は優しく微笑んで、繋いでない方の手を私の頭にポンと乗せて、頭を撫でた。



「怒んなよ。嘘はついてねえよ。昨日の夜、お前と一緒に京都に行きてえ衝動にかられて、時間調べただけだよ」


「本当に・・?」


「本当」


「・・・」



私は恥ずかしくなって、俯いた。


そっか・・。

大和、ごめんね・・。

疑ったりして・・。



「大和、ごめんね・・」


「気にすんな」



そう言って大和は、私の頭を優しく撫でてくれた。



「真子、顔あげて、外の景色見てみろよ」


「・・・」



私はそっと顔を上げて、外の景色に目線を移した。

どんどん景色が流れていって、私の知らない街がそこにはあった。



「このまま誰にも邪魔されねえ所で、お前と、二人だけで暮らしてえよ」


「大和・・」



大和は少し、寂しそうに微笑んでいた。

私は大和の手を、ぎゅっと握った。





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