課長の瞳で凍死します ~旅支度編~
 いやー。
 やっぱりこの人、好きだなーと呑気に眺めていると、

「お前、いつまで敬語なんだ?」
と雅喜が訊いてきた。

「え。
 いえ、その、課長に、タメ口とかありえないですし」
と真湖は、ごにょごにょと言ってしまう。

 まあ、まだ、課長って言っちゃってるしな~、と思っていると、ベッドに腰掛けた雅喜が頬に触れ、キスしてくる。

 それを受けながら、どうしようっ。

 なんだか、新婚さんみたいだっ。

 いや、そうなんだがっ、と一人、焦っていた。

「じゃあ、早く起きろよ。
 お前は既に一度出勤してるようだが」
と笑いながら、出て行ってしまう。

 いやもう……

 夢より、こっちの方が夢のような気がしてますが、と思いながら、真湖は布団抱いて、転がり、目を閉じた。

 今度は幸せな夢を見て、二度寝しかけ、雅喜に叱られたが――。







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