不器用な恋に、口付けを。
小さな紙袋をあたしに手渡してくれる彼は、あの日並木道の反対側で見たような照れた顔を浮かべていた。
あれは、あたしへのプレゼントを買った後だったから…?
…やばい。
だとしたらかなり嬉しい。
「あと、それとは別に雑貨屋で見つけたのが目に入っちゃって、買ったんだけど…」
"麻衣にあげる"
そう言って渡してくれたのは、ドームの中にクリスマスツリーが入ったリング。
ちょっとした遊び心があるそれははめてみるとブッカブカで。