【完】好きだから【完】




「どうかした?」


「いえ…手、大きいなって。」


「男の子だからね。」


「……はい」


先輩にとっては女の子と手を繋いで歩くのは…簡単に出来ることかもしれないけど…私には…ドキドキの初体験…なんだよね。


「瑠璃は大学考えてる?」


「大学ですか?一応K大がいいなって。」


「同じだ。」


「はい…大学でも先輩を応援したいなって…」


って…そんな先まで考えてんのか、重いなこいつ…とか思われるかも…


「じゃぁ、瑠璃が入学するまでに俺…レギュラーになんないと。」


「え?」


「じゃないと応援できないだろ?!」


「は、はいっ!頑張ってレギュラー取って下さい!」


「頑張るよ。なかなかキツいけど…」


「先輩なら大丈夫です!」


「ありがとう。瑠璃に応援されたいしな。」


先輩は私の喜ぶ言葉を知ってるみたい…


私の喜ぶ言葉しか言わない。
そんな気遣いが嬉しいけど…ちょっと寂しいな。


なんて思う私は…欲張りすぎるのかもしれない。




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