堕天使と呼ばれる女
勝手に腰を下ろしていた男は、聖羅にそう聞かれて急に真顔になり、コーヒーをローテーブルに置いた。

「ぶっちゃけ、聖羅の力が借りたくて来た。」

初めて見る真剣な顔つきで、男はそう静かに口を開いた。

それに対して聖羅は単純に切り返した。

「で?」

「えっ!?」

「あんた、まず名を名乗れ!」

「あぁ!?…あぁ、悪い。

 俺は、遠藤 和也(えんどう かずや)25歳。組織には一応、ハンターとして属している。」

「かずや…ね。

 あんた、本来はハンターなんて所に属するタイプの能力じゃないよね?
 本当なら、モルモットになってるはずでしょ?」

「さすが聖羅だな。
 その通りだ。

 俺の場合、能力に覚醒したのは、結構デカくなってからでな、力を使って検査官の記憶を操作したんだ。
 いわゆる、データ改ざんだな。

 で、一番、組織としての縛りが弱い、ハンターの道を選んだってわけだ。」

「ふ~ん。

 私も、物心ついた後に組織へ売られたんだったら、記憶のコントロールくらいしてやったのに…

 で、あんたがそこまでして自由を欲っした目的は?」


「…

 単刀直入に言うと、組織を潰したい!」

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