堕天使と呼ばれる女
何を言われているかワケがわからない和也に対して、聖羅は軽蔑ともとれる表情で続けた。

「よくも安易に、私のところに来てくれたわよねぇ。

 やってらんないわ!!

 そこまでの情報を組織内で集めたとなると、絶対にあんたは組織に反する人間として、既にチェックされているはず。

 そんなのが、私を訪ねて来たとなれば、私だってあんたと同じ括りに入れられてしまう。めでたくブラックリストの仲間入りってわけ。

 今まで私が大人しくしてたのも、全部、水の泡じゃない!!」


「もう俺は足がついてるって言うのか!?」


「そうよ。あんた、随分とearthを甘く見てるのね…

 もう確実に、あんたは反組織勢力。

 私の言うことが信じられないんだったら、試しに組織に一度、顔を出してみたら?

 きっと、生きては戻って来れないから。」


意地悪そうな顔つきで、そう言い放った聖羅を見て、思わず和也は息を飲んだ。

確かに、聖羅が言う程、組織の力を重く見ていなかった。

聖羅と和也は、組織への関わり方も年月も違う…

どちらが、より正確な事を言っているかは、明確だ。


和也は、“妹を助けたい”“組織を潰したい”という熱意に駆られて、いかに安易な考えで行動してきたのかを、振り返らされた。


しかし、残念ながら、もう無かった事には出来ない。
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