堕天使と呼ばれる女
異質な空間
「ごめん!
 待った…よね?」

「あぁ、相当な!!」

「まあ、そんなに怒らないでよ!
 美味しいコーヒーでもご馳走するからさ。」


病院からは遠く離れた街中で、聖羅は和也と合流していた。

散々、テレパシーによる会話で逆ギレされた上に、待たされていた和也は、かなりご立腹の様子…


「おすすめの喫茶店があるんだけど、場所、移動してもいい?」

そう問い掛ける聖羅に対して、無言のまま『勝手にすれば?』って態度で返す和也。

その態度に、さすがの聖羅も少しイラッとしつつも、和也の手を取った。


そして、一気に景色が変わる。


「うおぉ!
 いきなりテレポートすんなよ~!」

「黙ってるあんたが悪い!
 ほら、行くよ!!」

そう言って歩き出した聖羅に、和也もついて行く。




「ここよ。なかなか素敵な所でしょう?」

少し経って到着したのは、そんなに大きくも無く、小さくも無い、モダンでありつつも、どこかレトロで、マスターの趣味の良さを醸し出すかのような店構えをした、かなりオシャレな喫茶店だった。


聖羅がドアに手を開けると、ドアチャイムの心地良い音色が響く。

和也も聖羅に続いて店内に足を踏み入れる…

「なっ!?」

瞬間、和也は奇妙な空間に入り込んだかのような違和感に襲われた。
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