堕天使と呼ばれる女
私は、普通じゃない。

いわゆる「超能力」という類の力を持っている。


この力のせいで、肉親からは疎まれ、蔑まれ、更には社会から隔離されて生きてきた…


そして、その結果、売られたらしい。多額の金と引き換えに…



国家的プロジェクトには、表向きなものと、極秘に進められるものとがある。

超能力関係を取り扱うのは、当然、後者だ。


国民の血税で活動しているのに、一切、表舞台には出てこないこの組織…

通称、earth。


聖羅は幼い頃から、この国家的裏組織に育てられた。

随分と小さい頃の話で、聖羅が物心ついた時には既に組織に属していたため、肉親の記憶はほとんど無い…



組織では、毎日毎日、実験実験の日々。

まるで、モルモット。


そんな扱いばかりで過ごした10年以上の月日…


ついに聖羅は脱走した。


国家的秘密組織から脱走した者の辿る運命は、ただ1つ。



「抹殺」



聖羅はその時から、組織に追われる人間になった。


彼女に付けられたターゲット名は、堕ちた天使…

“堕天使”


そして、ハンターと呼ばれる組織の人間が、聖羅の命を狙いにやって来る。
< 3 / 72 >

この作品をシェア

pagetop