恋愛日記
第1章
 

どうして?なんて何度も思った。

だけど理由なんて私にわかるはずなかったんだ。


00 疑問
 


「こんにちは、選ばれし魂さん」


私が目が覚めた瞬間に聞いた言葉は、これだった
驚きで声も出ないのをいいことに、目の前の少年はすぐ話し始めた


「貴女にはもう一度人間に戻れる権利が与えられました」

「・・・・・・は?」


やっと出てきた第一声は凄く間抜けな声
それ程に私の頭は今上手く回っていない



「えっと、僕は天使です。本来は死んだ魂を回収する仕事をしています
ですが貴女は幸運なことにもう一度人間になれる権利が与えられたのです
下っ端である僕にはあまり詳しい事は知らされていないのですが、
まあ偶に天界のマスターが気まぐれでこんな事をしているのです」



ああそうですか
なんて言える話でもなく、私は必死に考えた


だって私は今さっき死んだはずなのだ
その私が今、意識を保って天界とかなんとかいう世界にいる
そして又人間に戻れると?



「……また普通に生活できるってことですか?」


これは重要な問題だ
何故なら、私にはまだ愛する人がいる
恋人を、亮を残して事故に遭ってしまったから


帰れるなら、何としてでも帰りたい

死んでないよ
大丈夫だったよ

って今すぐにでも帰って言いたいのだから






「はい。……ですが、元の世界には戻れません」



このとき程見ず知らずの人間でもない生き物を恨んだ日はない
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