俺たちの妹・3
「急いで処置室に運ぼうっっ‼︎」

俺たちはみぃを寝かせたストレッチャーを急いで運んだ。

「やっぱりみぃちゃんだったか……仁っ‼︎司と日向に連絡入れて。楓、酸素マスクと点滴用意。葵は、みぃちゃん聴診して」

小林先生は素早く指示を出した。

「「はい」」

仁と楓はすぐに返事をして行動した。

「俺が聴診するんですか?」

俺は小林先生の言葉に驚きをかくせなかった。

「そうだ。こんな状態のみいちゃん診るの初めてだろ?どんな音してるのかしっかり叩き込んでおけ。今の音、多分最悪だから……」

実験じゃないけど……みぃから学べって事か……

俺が普段聞いてる音は、雑音があっても酷くない時が多い……

みぃに意識があるんだし、当然か……

俺は決心して、聴診を始めた。



うわ………こんな音、初めて聞いた……

呼吸も早くて苦しそうだし、ここまではっきり雑音が聞こえるとこうなるのか……


俺にとって、この音は忘れられない音になった。
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