俺たちの妹・3
『みぃ、ほんとに大丈夫?』

『ん?へーき』

にっこり笑うみぃからは、辛そうな表情は見てとれない…

『少し喘鳴が聞こえるから、発作止めの点滴しておこうか。貧血もあるから、鉄剤だしておくね』

『はぁい』

みぃはゆっくり立ち上がったので、一緒に点滴室へ向かった。

『森先生は優しかった?』

『森先生?小さいころから診てもらってたし、私のワガママも沢山聞いてくれたよ』

『ワガママ?』

森先生は小児科医で穏やかな先生だけど、子どもの言うことをなんでも聞くイメージはないんだけどな…

『病室にかな兄やひな兄を泊めてくれたり、外泊や外出も許してくれたし…』

いや、それはワガママにはならないよ…

『そっか。俺とみぃはこれからだからよろしくな』

『うん、でもつーくんごめんね』

『どうして謝るの?』

『私迷惑かけちゃう存在だから。嫌になると思うよ』

『なるはずないじゃん。俺にとっても妹みたいな存在なんだし』

『ふふ、ありがとう』

『じゃぁ、点滴しようか』

『うん』

みぃはおずおずと腕を出した。

『点滴苦手?』

『苦手じゃないけど、痛いのは苦手』

『そっか。俺にされるの初めてだもんね。すぐに終わらせるから』

みぃはこの頃から既に見極めていたんだと思う。

いくら顔見知りの俺でも、信用出来る人なのか、そうでないのか…
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