俺たちの妹・3
何時もなら、歩いて5分の距離が今日は途轍もなく遠くに感じる……

ゆっくり、歩いてようやく、かな兄の家が見えてきた……

「……ハァ…やっと着いた」


ピンポーン

インターフォンを鳴らすと

「みぃっっ‼︎」

あっくんが元気良く飛び出してきた。

「………あっくん」

あっくんを見ると、体の重さが一瞬なくなった気がした。

「みぃ、しんどい?」

あっくんは、かな兄に似たのか、私の体調に敏感に反応してしまうみたいだった。

5歳児なのにしっかりしている……

「あっくん……へーきよ」


私の言葉を聞いて、じっと私を見つめたあっくん。

「…………ママっ‼︎ みぃが "へーき" っていった‼︎」

まさかの彩さんに報告されてビックリした。

「あら、新……そうなの?みぃちゃん体調悪い?」

彩さんにまで知られると、もう誤魔化せないか……

「少し体が重いだけだよ」

「……とりあえずお家に入りましょ」

そう言って、家に入るように促された。


「みぃは、ここにすわって?」

あっくんに手を引かれ連れて行かれた先はソファーだった。

言われるままに腰を下ろすと、体が一段と重くなった気がした。
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