俺たちの妹・3
「婦長からの伝言。体調がしっかり戻るまで、ゆっくり休みなさいって。その間のシフトの事は気にしなくていいからって言ってたよ」

「……ありがとうございます」

「まだ身体辛いだろうし、うちに居るといいよ。俺も葵もみぃも居るし」

「でも………迷惑じゃ……」

「迷惑なんかじゃないよ。美晴がいつもお世話になってるし、お互い様って事にしよう」

お互い様って……私は仕事なんだけどな……

「多分、疲れからきてる体調不良だと思う。最近無理してた?」

無理はしてるつもりはなかったけど……
特に予定がないから、誰かの代わりに入ったりしていたら、ほぼほぼ休みがなかったかも……

「無理はしてるつもりはなかったですけど、ここ最近休みがあまりなかったから、そのせいですかね……」

「う〜ん、そのせいだろうね。休める時はしっかり休まなくちゃね」

日向先生は、苦笑しながら頭を撫でてくれた。

その触れた手が優しくて……

やっぱり好きだな〜って思ってしまった。



コンコンコン


突然部屋に響いたノック


「は〜い」

日向先生は、戸惑う事なく返事をする。

「由奈さん。体調どう?」

ドアからそっと顔をのぞかせたのはみぃちゃんだった。

「みぃちゃん‼︎ ごめんね、迷惑掛けて……私昨日の記憶全然なくて……」

「大丈夫だよ。ひな兄が由奈さんの事ほっとけないのも分かるし、私もいつもお世話になってるから、そのお返し。だから気にしないで?じゃないと、私今度から入院しても由奈さんに申し訳なくなっちゃうから……」

「あ、美晴、それは言うなって言ったろ」

焦ってる日向先生なんてレアだな〜。

私のボ〜ッとする頭では、みぃちゃんの言葉の意味と、日向先生が焦ってた意味が分からなかった。

< 90 / 429 >

この作品をシェア

pagetop