知らない彼が襲いにきます
私の住んでいたところとは比べ物にならないほど豪華な作りのマクレガー邸に迎え入れられると、私は彼に深々と頭を下げた。






「お出迎え、ありがとうございます」






結婚式は挙げることができなかったが、周辺住民たちに盛大にお祝いしてもらえたことで私の気持ちは少しは晴れやかになっていた。




彼らの笑顔に感じた違和感は、心の奥に飲み込んで。




頭を下げ、感謝の言葉を告げる私に、彼は歩み寄って見下ろしてくる。






「顔を上げろ」






「はい……」






言われたとおり、私は頭を上げる。




――と、彼はいきなり私の胸ぐらをつかんだ。
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