ロックンロールモンスター
ロックンロールモンスター
朝起きると 
モンスターのような 
巨大な頭 
出っ張った腹 
昨日の俺と見比べた 
何か変 
まともに聴こえてた音楽も 
今は歪んで聴こえる 
だから俺も歪んだ旋律を 
奏でるしかなくて 
あいつに聞いたんだ 
「俺はまともか?」って 
「さあな」と関心なさそうに 
あいつが言ったから 
もう一度聞いたんだ 
「俺はまともか?」って 
そしたらあいつは怒ったように俺にこう言った 
「それがそんなに問題か?たとえお前がまともじゃなくても、お前はお前だろ?」 
ああ、俺は俺だよ。そうなんだけど…。 

それから俺はしばらく地下に潜った 
地下はどんな風に歌おうが 踊ろうが 
何でも自由だったから 
ある日 地上から声がして 
俺は這い上がって 地上に戻った 
地上から聞こえた声は 
俺の歪んだ歌を欲する奴らの声だった 
それは興味本位か 憐れみなのか 
俺にはわからない 
ただ 俺の歪んだ歌を 奴らに歌ってやった 
奴らの欲望を満たすために 
俺は奴らに聞いた 
「俺はまともか?」って 
奴らは聞こえないふりして 
俺にこう言った 
「もっと 強いやつをくれ」 

俺はまた地下に潜った 
奴らが追いかけてきても 逃げ切れるところへ 

ブラザー また会おう 
俺は死ぬまでこのままかもな 
歌えば 歌うほど 
息切れして すぐ へたっちまう 
けど それも 悪くない 

こんなモンスター いたっていいだろ

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