苦しくて、愛おしくて



すっかり忘れていた自分を、凛はコントローラーを操作しながらもなんとなくで察したみたいだ。


「ごめん凛!」

「いーけど別に」

「良くないって顔してるじゃん!」


見るからに不機嫌そうな顔してるもん!

えーとえーと、どうしよ。

ケーキ? ケーキ!


「ケーキ食べる?!」

「あんの?」

「コンビニで買ってくる!」

「家の冷蔵庫にまだ残ってる」

「そうか、だよね…」


そもそも男の人にプレゼントなんてお父さんにさえ渡さないから、こういうときすぐに思いつかないよ。


んーーーと腕を組みながら試行錯誤。

肩たたき券とか? いや父親にならまだしも中学生にあげるもんじゃないか…。


あ。


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