苦しくて、愛おしくて



何かを思いついた私はスクバからルーズリーフとペンケースを取り出すと、汚い線を乱雑に引いていく。

気になったのか凛が横目でそれをチラリと盗み見るけど、すかさず手で守るようにガード。

できた!

「はい、はっぴーばーすでー!」

お祝いの言葉を雑に済ますと、そのままスライドさせるようにルーズリーフを凛に渡す。


「なにこれ」

怪訝そうな顔でそれを手に取る凛。

「お願い事叶える券! しかも3回分も!」

我ながら小学生かとツッコミたくなるけど、でも貰ったら割と地味に嬉しくない?


「……なんでも叶えてくれんの?」

「無理難題なこととか金銭面なことは無理だよ」


ふーん、なんて面白くない反応を示される。


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