苦しくて、愛おしくて




私の笑顔が凛の勉強の癒しになってるかもしれないなんて、そんな発想はないわけ?


「なんだよ、邪魔しにきたわけ?」

「……」


ジトーと決して歓迎を受けてはいない視線を浴びる。

当の本人にまで言われると、さすがに私もそろそろ凛の部屋に行くのをやめた方がいい気がしてくるね、うん…。


「凛のお母さん珍しいね、仕事休みなの。
部屋上がるとき若干勉強の邪魔すんなって視線感じたけど」

「なにそれ。勘違いでしょ」

「うーん、そうは見えなかったけどね。てかはい、これ差し入れ」


コンビニの袋をポイっと凛に放り投げる。


「これだけ渡したかったの。邪魔してごめん」


そそくさと退散しようとしたら、すかさず腕を掴まれ、それを阻止される。


「もう帰んの? 一緒に食ってけばいいじゃん」

「…」


なんだかんだ凛さ、私のこと邪魔だと思ってないでしょ? そう思わせるから私もこうやって来ちゃうんだよなあ。


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