不器用な悪女2
無言で廊下を歩いていると後ろから大きめのため息が聞こえる。
様子を伺うようにチラリと見ると暗い顔をしていて、普通だったらこれから俺たちに何をされるか、と怯えるであろう場面。
でも彼女の表情からは後悔という二文字が見えた。
いつも歩く道のりををなれたように進むと見えたのは俺たちがサボるのに使っているたまり場の空き教室。
「入って。」
またチラッと後ろの彼女を見ていうとドアを開け、星野亜美に入るように促す。
これはいつもの事なので最初は戸惑っていた星野亜美ももう慣れたように俺が開けたドアから入る。
このたまり場はセフレ達は入れない。そういう神聖な、先代たちから受け継いだ思い入れのある場所だ。
だからここに入れる女は星野亜美ただひとり。