信愛なる君へ
「あ、あのっ!私ちょっとお手洗いに…っ!」
「へ?あぁ、行ってらっしゃい」
あまりにも恥ずかしくなってしまい、思わず席を立った。
「………やっぱり覚えてないよね」
キュッ、と水道の蛇口をひねりながらポツリと零した。
最初に会った時は人違いかもしれないと思った。
でも彼の話す時の表情をみればみるほどあの時の彼だという確信がもてる。
…まあ覚えられてたところであんな場所で修羅場を展開させていたイタイ女、って認識になっちゃうのかな。
そんなことを考えながらお手洗いを出ると、その先にヒデさんと出くわした。
「お?咲笑ちゃん!」
「咲笑ですよ〜(笑)先に席に戻ってますね」
ヒデさんもお手洗いかな?と思い、先に席を戻るということを伝えた直後、腕を掴まれた。
「あの…?」
「咲笑ちゃんさ…」
ヒデさんがさっきまでとは打って変わって真剣な面持ちで私をみる。