愛は尊い


操さんは
仕事中でも、笑わないんだろうか


黙々と食事を進める姿を
ただ、ずっと見ている
そもそも、目の前で
食事を見ているだけの私にすら
無関心だ


普通なら
自分の食事中、じっと見られていたら
恥ずかしいし食事も進まない

かまってほしいわけじゃない
けど話すきっかけがあるんじゃないかと
操さんの食事中は
こうして座って見ているのだ


食事が終われば
操さんはごちそうさまも言わず
立ち上がり、お風呂へと行ってしまう


ガタッ、と立ち上がり
お風呂にでも行くんだろうと
後ろ姿を眺めていたら
操さんが振り返った


思いもよらない振り返りに
座っていた私の背筋がピンとした



「明日の午後から出かける。勝田にも伝えておけ」


出かける?
それって私も?と聞きなおそうとしたが
操さんはもうリビングにはいなかった


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