愛は尊い



『…操さんは、ずっとお爺様と?』


「あぁ、一緒に住むかと聞いたが断られた。まぁ、それでよかったんだ…」



何が良かったのか
私にはさっぱりわからない
その結果、今の操さんがいる


「じじいは操を溺愛した。そして嘉賀の将来を私ではなく、操に託した。だから、今は余生を謳歌しているんだよ…愛する果歩と一緒にね」



そう言い切った操さんのお父さん
と、同時にシャーッとカーテンが開く


「これ、着て帰るわ」


話を聞いていたかのような
タイミングだ
果歩さんは操さんのお父さんの腕に絡みつき寄り添う


仲睦まじく、
この中に操さんが入るなんて
絶対無理なんだろうと思った


二人の後ろ姿を見ながら
操さんのことを考えていた

操さんにきいても
答えてくれないだろう

帰ったら、勝田さんに聞こう
操さんとおじいさんとの暮らしを…


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