愛は尊い


さっき、玩具を探してた…
そういった男が
楓さんを、愛してると言うの?


闇金の男は
楓さんの髪を摘み、キスを落とす
嬉しそうに…幸せそうな楓さん






「愛されるかは、お前次第だ」




闇金の男の言葉が頭に残った
私次第、という意味がわからない



『…イタっ、』


「力を抜いてくださいね」


白衣を着たおじいさんが淡々と話す声
力を抜けと言われても無理な話だ
痛さに耐えきれず涙が流れた


「もう少しで終わりますから、」


優しい口調のおばさん…
私のお腹の上で間仕切りつもりか
バスタオルを持っていて
私の様子と、白衣のおじいさんの様子を交互に確認している


何かが抜かれた後、
カチャンと器具の音がした
終わり、と言ったあと
雑に拭われ…更に悲しくなる


終わりましたよ、と
おばさんの手によって起こされた私


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