愛は尊い


楓さんと、店員さんは
キャッキャ言いながら
私をマネキンにしていた


どうやら、着飾らなきゃいけないみたい
18歳の私にはいくつかわからないけど
確実に私より年上の楓さんが
かなり大人に見える
そんな楓さんが着ているような服
私に似合うのか、かなり疑問だ


それから…美容院にエステ、ネイルまで
身体中のケアをされた私は
今までになくヘトヘトだった



「お待たせいたしました」


声と同時にシャーッとカーテンが開かれた
カーテンが開くとソファから立ち上がり
ニッコリと笑っている



「うん、音ちゃん可愛い!」


ガラガラガラ、とキャスター付きの鏡が運ばれ、その時初めて自分の姿を見た
鏡に映って私は
何もかもが違う…

髪の色も艶も…
頬や二の腕も引き締まったように見える


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