明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
「ねー。瑠花さん。俺、勝手入ってきちゃったけど……。」

それでも動かないから、もしや、寝てる?と思って、ベットに腰掛け、布団を少しだけ、ずらそうと思ったのに、動かない。って事は……


「瑠花さん起きてんでしょ?」

「ねー?瑠花さん、怒んないの?」

「……何を?」
丸まった布団の中から聞こえる小さい声。

「不法侵入?それに、東条家の敷居また、またいでるよ?俺。」

「出てってよ。」

「瑠花さん、声小さくて、聞こえずらい。布団の中になんかずっといたら、呼吸困難になるよ?」

「……。」

「瑠花さんさー。寝る時、服着ない人?さすがに布団引っ剥がしてそれ見たら、俺やばいけどね(笑)」

「……。」

それでも出て来ない瑠花さんに、多少強引ながらも、布団に再度手をかけ、

「瑠花さんが、自分からでないなら、力強くで申し訳ないけど、行くよ?いい?」

「……良くないわよ。……布団、破れたら困るでしょ。」


そう言って、やっと出てきてくれた、彼女の顔は、

「瑠花さん、目赤いよ?泣いたの?」

「昨日、あんたの前で、泣いたでしょ?」

「夜中は泣いてなかった。朝も赤くなかったし。」

「年取ると時間差で赤くなんのよ。」

「あはは。なんだそれ?」

「てか、何?不法侵入で、警察呼ばれたいの?」

「いや。さすがに捕まりたくねーけど(笑)はい。瑠衣から鍵借りた。」

「なんで。」

「ん?会ったからー?」

「いつよ?あの子、……彼女と一緒だったでしょ?」

「あー。ここ来る前にね?」



「どーだった(笑)?」

少しだけ赤い目をした、俺の前にいる彼女が、昨日とはまた全然違う小悪魔なような顔で俺をみて、笑う。

「は?何が?」

「久しぶりにもと好きな子と会って?」

……。
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