明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
「何?」

「あ、ごめん。メール来てた。てか、なんかさ。ちょっとだけ、胸きゅんしたのよ。これにね。」

携帯の画面を指でトントンと叩く。

そう。
彼氏じゃないのに、こんなメールがちょっと嬉しかったりしてる自分が情けない。

あの日から、辰巳は、用がなくてもこんな風にメールをよこす。
そして、私に時間がある時だけ、
ご飯に付き合わせる。

それで、何かある訳じゃない。
……まぁ、好きとかは言われるけど。

でも、本当にそれ以上の事なんてなくて、普通にご飯友達みたくなってきてた。

「へー。その年下君?」

「だって、初めにさ。彼氏じゃないのに、他とはしないでとか可愛くおねだりされたのよ!?何よあれ!!あんなの反則でしょ!」

「やだー♡独占欲とか可愛い~若いね~(笑)ってか、瑠花、まさかしたの?その年下と?」

「……。」

「へー(笑)可愛い系?」

「いや、まぁ、可愛いかもだけど、生意気。」

「瑠花、発言おばちゃんだよ(笑)」

「うるさい!てかおばさんと言えば聞いてよ!!総務課のおばちゃんがさ!!」

……とお決まりの会社の愚痴をお互いしてれば、いつの間にか時間もあっという間に過ぎていった。
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