明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
「落ち着いた?」

そう言って、
撫でていた手を腕に置き、私を自分から離した。

「……まーね。」

「んじゃ、帰るわ。」

そう言って、その場から立ち上がる。


「あ、そ。あ、漫喫代あげようか?」

「……瑠花さん、さすがにそれはねーよ。」

「?だって、さっきの飲み代あんた払ったでしょ?お金あんの?そんくらい出してあげるわよ。」

素で出た言葉に、
傷つくような顔。

「瑠花さん、今まで、他の奴にそんな事いった事ねーだろ?いくら年下でも、さすがにそんな気使われると、俺もへこむからやめてよ。」

「いや、そんなつもりじゃなかったんだけど……」

「うん、じゃー、素で俺は瑠花さんの中で瑠依みてーなもんなんだな。まぁ、やっぱ、そーだよな……。
んじゃ戸締りしろよ?」

そう言って玄関のドアを開けて、外に出て行った。

あー。
思ってたより、傷つけたな……。

そっか……。
瑠依みたいか。

でも、弟には、
胸きゅんとか、しないんだけど、な。

分かってんのかな。
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