【短編集】その玉手箱は食べれません


「外に置いていたら盗まれてしまう。なにせこれには100万ドルの賞金がかかっているからな。いいじゃないか他に客はいないし、仕留めたばかりだから腐ってない」

 おれとしては珍しく初対面の相手に笑顔がこぼれた。


「すると、それは…」


「そうさ、狼男さ」

 おれは得意げに言う。


「どうやって仕留めたんですか?」

 バーテンは驚きを隠せない。


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