【短編集】その玉手箱は食べれません


「ただし、生肉なら目の前にありますけどね」

 バーテンはウィンチェスターライフルを構えて不敵に笑う。


「おやおや」

 おれは両手を大袈裟に広げた。


「仲間を売って賞金を荒稼ぎしている狼男というのはおまえなんだな?」

 バーテンがおれに問う。


「そうだ」

 おれは冷静に白状した。


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