【短編集】その玉手箱は食べれません


 バーテンはクラシカルなウィンチェスターライフルを手に持つと「へぇー」とか「ほぉー」とか関心を示し、おれを賞賛するほめ言葉を連発した。

「いやぁー本当にすごい。こんなに重たい銃を持ってあんなに俊敏な動きができるなんて神業ですね」


「運動したらお腹が減った。なにか作ってくれないか?」

 おれは照れ隠しのために料理を注文した。


「すいません。この店は調理したものを出さないんですよ」


「少しでも売り上げに協力しようと思ったのに残念だな」


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