恋色流星群
 


騒つく会場には、頬を染める人たちと、立ち込める湿った熱気。

久々に見た人の量に、はぐれないように葵ちゃんの白いジャケットの裾を掴んで、たくさんの背中をかき分けながら進んだ。



『すごい人ー!席まだ?!』

「ちょっと待って、ここがCだからぁ・・・」


陽斗がさ、という声に思わず振り向くと。
メンバーのマスコット?をたくさん鞄につけた女の子たちが、葵ちゃんが惨敗したガチャガチャの卵たちを広げて盛り上がっていた。

その隣には、花冠をつけた二人組みの女の子。頬には、ペイントシール。

みんな、一様に幸せそうな、笑顔で。

なんか、ちょっと。






「緊張する~!陽斗ここまで見てくれるかな~?!」

「航ー!早く会いたいー!!」






グッ、と。
来たかも。




これが、あの二人の仕事で。
私は、今から、二人が人生をかけた仕事を。





「あった!あそこあそこ!!
理沙、こっち!


_________って、あら?!」




あまりにも、鮮やかに見せつけられてしまう。




「ちょっと、もしかして、ここって・・・。
合ってるよね?F-10,11って、ここよね?!」




陽斗くんの用意した。



「理沙、大変・・・多分、ここって______」



身体が灼けるほどの熱量を、真正面から浴びるであろう。




「_________関係者席、よ。」




とっておきの、特等席で。










二人の王子から差し出された、シンデレラのガラスの靴を握り締めて。
 

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