(仮)センセイに恋の法律相談
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「痛(い)っ…
たかったーーー。
あーーあ、痛かったなー」
包帯の巻かれた左手を持ち上げ、かなり大袈裟に痛がりながら、哲さんの背中を追いかける。
彼は、私の訴えなどまるで届かないといった風に、スタスタと前を行く。
チラリと腕時計を見る。
約束の時間を気にしているのか、さらに早足になった。
「甘えてるとこ悪いけど、少し急いでくれないか?
面会時間が終わっちまう」
病院を出たあと、私と哲さんは市街の拘置所に向かっていた。
哲さんへの依頼人の、面会の約束があるのだ。
(ちぇ、どうせ例の、お金にもならない国選弁護人のやつでしょ)
「こら!」
小声で愚痴ったつもりがきっちり聞かれて伊田ようで、ポカリと頭をやられてしまった。
「痛(い)っ…
たかったーーー。
あーーあ、痛かったなー」
包帯の巻かれた左手を持ち上げ、かなり大袈裟に痛がりながら、哲さんの背中を追いかける。
彼は、私の訴えなどまるで届かないといった風に、スタスタと前を行く。
チラリと腕時計を見る。
約束の時間を気にしているのか、さらに早足になった。
「甘えてるとこ悪いけど、少し急いでくれないか?
面会時間が終わっちまう」
病院を出たあと、私と哲さんは市街の拘置所に向かっていた。
哲さんへの依頼人の、面会の約束があるのだ。
(ちぇ、どうせ例の、お金にもならない国選弁護人のやつでしょ)
「こら!」
小声で愚痴ったつもりがきっちり聞かれて伊田ようで、ポカリと頭をやられてしまった。


