声にできない“アイシテル”
誰もいない校舎裏についたとたん、乱暴に腕を解かれて私は転んでしまった。
「あらぁ、ごめんなさいね」
くすくす、くすくす。
腕をつかんでいた先輩が笑いながら謝る。
ちっとも気持ちがこもっていない“ごめんなさい”だった。
よろよろと立ち上がってスカートのほこりを払っていると、髪が長くて背の高い先輩が私の前に立つ。
「あなた、自分が目障りな存在だっていう自覚はないの?」
体の前で腕を組んでいる先輩。
私を見下ろす視線はすごく冷たい。
―――目障り?
どういうこと?
私にはどうしてこの人たちが怒っているのかが分からない。
三年の教室がある階には、圭ちゃんに用事がある時しか行かないし。
用が済んだらすぐに自分の教室に戻るようにしてるし。
目障りと思われるほどウロウロしてないはず。
「あらぁ、ごめんなさいね」
くすくす、くすくす。
腕をつかんでいた先輩が笑いながら謝る。
ちっとも気持ちがこもっていない“ごめんなさい”だった。
よろよろと立ち上がってスカートのほこりを払っていると、髪が長くて背の高い先輩が私の前に立つ。
「あなた、自分が目障りな存在だっていう自覚はないの?」
体の前で腕を組んでいる先輩。
私を見下ろす視線はすごく冷たい。
―――目障り?
どういうこと?
私にはどうしてこの人たちが怒っているのかが分からない。
三年の教室がある階には、圭ちゃんに用事がある時しか行かないし。
用が済んだらすぐに自分の教室に戻るようにしてるし。
目障りと思われるほどウロウロしてないはず。