声にできない“アイシテル”
 翌日、アメリカに向けて早々に出発。

 現地に着くとすぐに研究所と連絡を取り、訪問の許可を取った。




 施設の前で、所長が出迎えてくれる。

「はじめまして、桜井です」

「所長のディビッドです。
 メールで何度もやり取りしていたので、初めてという気はしませんね。
 どうぞ気を楽になさってください」

 叔父さんと同年くらいの優しそうな男性が、握手をしながらそう言ってくれた。


「ありがとうございます。
 今日はよろしくお願いします」

「では、さっそく案内しましょう」



 連れられて、薬品独特のにおいがする施設内を進む。


 廊下をしばらく歩いた先にある白い木の扉をノックした。


 中にいたのはは5,6人ほど。

 それぞれが資料を読んだり、データを入力したりしている。



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