声にできない“アイシテル”
「えっ、山下さん?!」
驚いて、思わず腰が半分浮く。
「もしかして、桜井さん!?」
彼も俺の顔を見て、動きが止まった。
お互い目を見合わせて固まる。
そんな俺達を見て、所長がまばたきを繰り返す。
「なんだ。
トオルの知り合いだったのか?」
「あ、はい。
顔を合わせたことはあります」
後ろ手で扉を閉めながら、山下さんが所長に答える。
「ほう。
世界は意外と狭いものだな」
「そうですね」
苦笑しながら返事をした山下さんは、『失礼します』と言って、ソファーに座った。
「それでは人工声帯の話をしましょうか」
と、所長が言った所で先ほどの事務員が顔を覗かせる。
どうやら、所長に電話が入ったようだ。
「私は用があるので、これで失礼します。
桜井さん、どうぞゆっくりなさってください」
「ありがとうございます」
会釈を交わした後、所長は出て行った。
驚いて、思わず腰が半分浮く。
「もしかして、桜井さん!?」
彼も俺の顔を見て、動きが止まった。
お互い目を見合わせて固まる。
そんな俺達を見て、所長がまばたきを繰り返す。
「なんだ。
トオルの知り合いだったのか?」
「あ、はい。
顔を合わせたことはあります」
後ろ手で扉を閉めながら、山下さんが所長に答える。
「ほう。
世界は意外と狭いものだな」
「そうですね」
苦笑しながら返事をした山下さんは、『失礼します』と言って、ソファーに座った。
「それでは人工声帯の話をしましょうか」
と、所長が言った所で先ほどの事務員が顔を覗かせる。
どうやら、所長に電話が入ったようだ。
「私は用があるので、これで失礼します。
桜井さん、どうぞゆっくりなさってください」
「ありがとうございます」
会釈を交わした後、所長は出て行った。