声にできない“アイシテル”

手紙

 ある朝。
 
 登校すると、俺の靴箱の前から数人の女子が急いで立ち去るのを見た。



 あれはたしか、ファンクラブの女子だ。

 しかも松本にべったりくっついている、少々やっかいなタイプ。


 松本はファンクラブの会長ということで、自分よりも俺に近付く女子を許さないという。
 

 でも松本と仲良くしておけば、邪魔をされることはない。

 だから少しでも俺に近付こうと、いつでも彼女のご機嫌を伺っているような連中。




 そいつらが手に何かを持って走り去る。

 白いような、薄いピンクのような薄くて四角いもの。



「なんだ?」


 気にはなったけど、まぁ、大したことじゃないだろう。


 俺はその事を放っておいた。





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