いざ、2次元の世界へ
Mission of the 2次元


「……で、結局のところ、俺らは何をすればいいんだ?」


タイガが大きくあくびをしながら口にした。


その問いの答えなど、誰も知るはずもなく、無言だけが続く。


だがそのとき、ソウスケがずっと抱え込んでいた頭をあげて言った。


「そういや、アンナは?」


アンナ…ヒロインのことか。


確かに、私はまだ一度も見ていない。


「…アンナは、消えたんだよ」


うつむきながら、暗い口調でつぶやいたのは、カエデだった。


「消えた、ってどういうこと?」


そんなの、原作にもない。


というか、この世界に来てから初めて知ることばかり。


きっと、ウィーユーをどんなに読み込んでいても、何の戦略にもならない私の立場は、変わらなかっただろう。


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