絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆

それからあたしは男に一本の注射を打たれていた。


煙の効果がなくなる薬なのだそうだ。


チクリとした痛みの後、透明な液体が体の中に入って行く。


「それじゃ、また明日」


男はそう言うと、ニヤリと笑って空中に消えて行った。


あれもただの映像だったのか。


だけどたしかに、あたしの腕には注射の痕がはっきりと残っていた。


どういうトリックを使ったのかわからないが、<mother>の技術を持ってすれば、映像が人に触れることもできそうな気がしてくる。


あたしは注射をされた手を押さえながら体育館へ戻ると、そのまま深い眠りについたのだった。
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