絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
だけど、グループはずれの結愛ちゃんを狙ってもいいかもしれない。


煙の効果が切れるまで待てばきっと彩美も加奈ちゃんも結愛ちゃんを狙いに行くだろう。


結愛ちゃんも1人だけグループが違うということで、顔は真っ青になっている。


部屋のドアは閉められ、煙が部屋の充満し始めた。


みんながうめき声をあげて豹変していく中、あたしは煙を吸い込んでも我を忘れる事はなかった。


昨日の注射がよくきいているようだ。


煙が晴れていくと、そこには目の吊り上がった彩美がいた。


彩美は目を血走らせガンガンと透明な壁を殴りつけている。


シラフのままその光景を見ると、さすがに圧倒されてしまう。


3人ともまるで化け物みたいな顔をしている。


だけど大丈夫。


この煙の効果が切れるまで生き延びる事ができれば、あたしは必ず勝てる。


あたしは両足を踏ん張り、彩美を睨み付けた。


そして壁が取り払われる……その瞬間、男の声が聞こえて来たのだ。
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