絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
大森さんが台の上に立ち、首にロープをかけた。


その表情はとても穏やかで、今にも眠りにおちてしまいそうな雰囲気があった。


男が台を蹴り、重たい体がロープからぶら下がる。


大森さんは一瞬大きく目を見開き、抵抗するように足をばたつかせた。


ロープは首にきつく食い込んでいき、大森さんは白目をむいた。


封尿を垂れ流し、舌が飛び出して来る。


途中から見ていられなくなって、あたしは目を逸らせた。


これで終わりだ。


全部終わり。


この体育館からも出られるんだから……!!


自分自身にそう言い聞かせていた、その時だった。


「これで終わりかよ!!」


どこからか、そんな声が聞こえてきてあたしは顔を上げた。


「なんだよ、最後の1人じゃねぇじゃんか」


他のクラスの生徒たちから起こるブーイング。


あたしは唖然として彼らを見つめていた。
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