絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
勝者たちの絶望
そして、今。


あたしは血まみれになった部屋の中を見つめていた。


部屋の中には小谷結愛、有門加奈、世田朱里、守田彩美の4人の死体が転がっていた。


途中で理性が戻る事のないバトルで生き残りはいなくなってしまったのだ。


あたしは大森さんを見た。


女子で残っているのはあたしと大森さんの2人。


男子で残っているのはイジメられっ子の3人。


「……よかったね」


不意に、大森さんがそう言った。


すべてを知った上でバトルを見守った大森さんの目には涙が浮かんでいた。


「大森さん……」


「あたしは、これで終わりだから」


大森さんは制服のそでで涙をぬぐうと、ほほ笑んでステージへ向けて歩き出した。


ステージ上にはくくられたロープがすでに用意されている。


その横には男が待機していて、大森さんがステージに上がって来るのを待っていた。


これで、すべてが終わる。
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