絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
あたしと彩美が戦うのと同じようなものだ。


「呼ばれた2人はすみやかに部屋の中に入ってください」


男が言い、待機していた2人の男が大森さんと笠原さんの腕を掴んで立たせた。


「やだやだやだ! なんで優子が相手なの!?」


大森さんは大きな体を左右に揺らして抵抗している。


しかし、男の力の方が強く部屋に入れられてしまった。


彼女たちと同じカースト上位のクラスメートたちが顔をそむけて震えている。


どれだけ仲が良くても関係ない。


友達を殺さないといけないという苦しさから、2人は部屋の中で泣き叫び始めた。


それでも部屋の中に煙が充満し始めると、それもすぐに止まった。


山田君や宮田君と同じように目が血走り、口の端からヨダレを垂らす。


壁越しの相手を攻撃しようと威嚇しているのがわかった。


そしてついに壁が取り払われた。


自由になった2人は同時に掴みかかる。


その時だった。


大森さんが笠原さんの肩に噛みついたのだ。


「え……?」


同じグループの子が困惑の表情を浮かべる。
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