絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
2回目
昼食を終えて時計の針が12時を指した。


そのタイミングで男がステージに現れる。


あたしはジッと男を見つめていた。


次は誰と誰が殺し合いをさせられるのだろう。


誰もが息を殺して男の言葉を待っていた。


「それでは、次のバトルにうつります!」


男はそう言い、両手を大きく広げて見せた。


まるで拍手を求めているようなしぐさに、嫌味を感じる。


「次のバトルは……大森優里(オオモリ ユウリ)VS笠原優子(カサハラ ユウコ)!」


名前が呼ばれた瞬間、A組の中がざわめいた。


大森さんと笠原さんはクラスカーストの上位者だ。


特に仲がよくていつも一緒にいるイメージだ。


今だって、2人は隣り合って座っている。


「うそでしょ……?」


随分とふっくらした体格の大森さんが青い顔をしてそう呟いた。


「嫌だよ、優里と戦うなんて無理!」


笠原さんは大森さんの手を握りしめたまま、離そうとしない。
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