絶叫脱出ゲーム③～クラスカースト～
5回目
トイレから戻って来た彩美は真っ青な顔をしていたが、しばらく寝転んでいるとようやく落ち着いて来ていた。


その頃にはすでに昼が近づいて来ていて、相変わらず嫌味なほど豪華な昼食が準備された。


「あたし、お昼はいらない……」


彩美が寝転んだまま小さな声でそう言った。


「そっか……じゃぁあたしだけ食べて来るね」


さっきの試合をみたほとんどの生徒たちが昼食には手を出していない。


そんな中、昼食を取りにマキヤがステージに上がって来るのが見えた。


「や、やぁ」


ぎこちなく片手を上げて見せるマキヤ。


あたしも笑顔を浮かべた。


「マキヤはちゃんと食べるんだね」


「あ、あぁ。俺は朱里を守らないといけないからな」


そう言い、照れたように笑うマキヤ。


もうすでに彼氏気取りだ。


だけどそのくらいの方があたしにとっても好都合だ。


あたしたちはステージの下に並んで座って昼食を食べる事にした。


死体にまみれたステージの近くには誰の姿もないが、その方が会話をきかれずにすむ。
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