絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
「そう……だったの?」


驚きすぎていい言葉も見つからない。


ただ、マキヤの手が小さく震えていることに気が付いていた。


きっと、嘘はついていない。


「あぁ。翔吾と付き合っていたから諦めていたんだけど、あいつ黙っていなくなっただろ? だからいつか告白しようと思ってたんだ」


マキヤは照れてしまってあたしの顔も見れなくなっている。


「そっか……」


マキヤはずっとあたしの事が好きだった。


そんなこと知らなかった。


「ごめんな、こんな時にこんな事言って……。でも、次のバトルで自分が死ぬかもしれないと思うと、どうしても伝えておきたくて」


「うん。ありがとうマキヤ。すごく嬉しいよ」


あたしはそう言ってほほ笑み、マキヤの手を握りしめた。


マキヤは驚いたように目を丸くしてあたしを見つめる。


「もし2人でここから出られたら、あたしと付き合ってくれる?」


あたしは何の感情もない声でそう言った。


しかしマキヤはその言葉だけで舞い上がり、何度も何度も頷いている。


あたしはそんなマキヤを見て、フフッと小さく笑ったのだった。
< 52 / 190 >

この作品をシェア

pagetop