絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
四方を囲まれた灰色の部屋。


床には一丁の拳銃。


それを挟むようにして、あたしは翔吾の前に立っていた。


「ここで死ぬのは、俺か、お前か」


翔吾がそう言った。


だけどそれはあのスーツの男と全く同じ声で、あたしは顔をしかめた。


「やめてよ翔吾、なに言ってるの?」


「ここで死ぬのは、俺か、お前か」


翔吾はスーツ男の声で繰り返す。


「死なない!! あたしも翔吾もこんな所じゃ死なない!!」


あたしは叫んでいた。


起きた現実から目をそむけるように、イヤイヤと左右に首を振りながら。


翔吾はほほ笑み、拳銃を手に取った。


咄嗟に動こうとしたけれど、あたしの体はまるで金縛りにあっているように動かなかった。


翔吾が拳銃を自分の頭に突き付ける。


「やめて!!!!」


大きく叫んだ。


その瞬間、銃口があたしへ向くのが見えた。


「答えは……お前だ」


翔吾はそう言うと同時に、なんの躊躇もなく引き金を引いたのだった……。
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