CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

-3-

ーーキリトをなんとか助けたくて、私は編集長の高岡に相談をした。

業界にいる年数も長く、それなりの人脈を持っている編集長なら、

何か策を出してくれるんじゃないかとも思っていた。


私の話を聞いた高岡編集長は、

「……そうか、そんなことになってるのか…あのバンドは……」

と、ため息混じりに言った。


「だが、あのバンドは、今が一番売れている時だからな……

簡単には、事務所がヴォーカルの彼を手放したりは、しないだろうな…」


「それは、わかっています…だけど、今のままでは、彼がかわいそうで……」


「うん……おまえの話は、よくわかった。

……事務所は手放さないだろうが、幸いあそこの事務所はあまり大きくはないからな…。

……他の大手に、手を回してみることぐらいは、できるかもしれない…」

「……よろしくお願いします。編集長」


頭を下げて頼むと、「ああ、わかった。少し動いてみる」と、高岡編集長は答えた。

< 66 / 156 >

この作品をシェア

pagetop