CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
玄関に座り込み、ショートブーツの紐を結ぶキリトに、

「帰れるの? 大丈夫…?」と、訊くと、「うん、大丈夫…」と、答えた。

「ここから、タクシーで帰るから…」

「そう、気をつけて帰ってね…」

「わかった……」

行きかけて、


「…キス、したい…アヤ……行く前に…」


と、ふいにキリトが頭を振り返らせた。


「……もう、しょうがないな…」


わざと仕方なさげに言いながらも、顔が赤くなるのを感じていた。


背の高いキリトに、少しだけ爪先立つようにして、キスをした。


「ん…アヤの唇…気もち、いぃ…」


抱きついて、耳のそばで、吐息混じりに声を漏らすキリトに、


さらに真っ赤になりそうにもなって、

「早く行きなってば…もう…」と、彼の背中を押し出した。

「じゃあ、また…アヤ」


キリトが言って、ドアを出ていったーー。



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